歯科コラム

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透明で目立たない歯列矯正「シュアスマイル」とは?ワイヤーとの違いやメリット
マウスピース矯正

「歯並びをきれいにしたいけれど、口を開けた時に金属の装置が見えるのは恥ずかしい」「仕事柄、目立つ矯正器具はつけられない」……。 このような理由で、長年抱えてきた歯並びの悩みを諦めてしまっている方は少なくありません。従来のワイヤー矯正は、どうしても見た目のハードルが高く、大人になってから始めるには勇気がいるものでした。

しかし、歯科医療の技術は日々進化しています。現在、世界中で注目されているのが、透明なマウスピースを使用した矯正システム「シュアスマイル(SureSmile)」です。当院でも導入しているこのシステムは、従来のワイヤー矯正のデメリットを解消し、周囲に気づかれることなく、そして快適に理想の歯並びを目指すことが可能です。 この記事では、歯科業界の世界的リーダーであるデンツプライシロナ社が提供するシュアスマイルの仕組みや、ワイヤー矯正との違いについてお伝えいたします。

世界的な歯科メーカーが開発。「シュアスマイル」の仕組みと特徴

シュアスマイルは、130年以上の歴史を持つ世界最大級の歯科用製品メーカー「デンツプライシロナ社(米国)」が開発した、透明な「マウスピース型矯正装置」です。 これまでの矯正治療は、歯の表面にブラケットと呼ばれる金具を装着し、ワイヤーで引っ張ることで歯を移動させていました。しかし、シュアスマイルのアプローチは、最先端のデジタル技術を駆使した全く異なるものです。

成功のカギを握る「デジタルスキャンと精密検査」

治療を開始するにあたり、まずは患者様のお口の状態を正確に把握するための詳細な精密検査を行います。従来の不快な「型取り(粘土のような材料を口に入れるもの)」ではなく、光学スキャナーを使用する場合が多く、快適かつ短時間でデータを取得できます。

  1. CT撮影/レントゲン:目には見えない歯の根の状態や、顎の骨格を分析します。
  2. 虫歯・歯周病検査:矯正を始める前に、治療が必要な病気がないかお口の健康状態を厳しくチェックします。
  3. 口腔内スキャン・写真撮影:現在の歯並びや噛み合わせの状態をデジタルデータとして記録します。

高度なソフトウェアによる「治療計画のシミュレーション」

シュアスマイルの最大の特徴は、「精度の高い治療計画ソフトウェア」にあります。元々、裏側矯正(舌側矯正)のロボット技術から発展したシステムであるため、歯を動かすメカニズムの解析に非常に長けています。 採取したデジタルデータをもとに、コンピュータ上で治療完了までの歯の動きを緻密にシミュレーションし、「少しずつ形の違うマウスピース」を段階的に作製します。このマウスピースを一定期間ごとに新しいものに交換していただくことで、歯を少しずつ、着実に理想の位置へと動かしていくのです。

食事も歯磨きも普段通り!取り外せるからこその「衛生的メリット」

ワイヤー矯正を経験された方の多くが口を揃えて言うのが、「食事が大変だった」「歯磨きが難しくてむし歯になってしまった」という苦労話です。装置が固定されていると、繊維質の食べ物が絡まりやすく、歯ブラシも届きにくくなるためです。 しかし、シュアスマイルは「取り外しが可能(リムーバブル)」な装置です。これが、患者様の生活の質(QOL)を劇的に向上させます。

  • 食事の制限が一切ない 食事の際はマウスピースを外してケースに保管します。そのため、カレーやコーヒーなどの着色しやすいもの、お餅やガムなどの粘着性のあるもの、硬いお肉なども、普段通り自由に楽しむことができます。「矯正中だから好きな食べ物を我慢する」というストレスがありません。
  • むし歯・歯周病リスクを下げられる 当院が歯科医師として高く評価しているのがこの点です。数ヶ月~数年にわたる矯正期間中、装置を外して普段通りに歯磨きやフロス(糸ようじ)を行えます。お口の中を清潔に保てるため、矯正中に新たなむし歯や歯周病を作るリスクを大幅に減らすことができます。「歯並びはきれいになったけれど、歯がボロボロになってしまった」という事態を防げるのは、取り外せるシュアスマイルならではの強みです。

接客業でも安心!透明で目立たない見た目と痛みの少なさ

「矯正をしたいけれど、仕事で人と接する機会が多いから目立つのは困る」という方にこそ、シュアスマイルは選ばれています。

  • 至近距離でも気づかれにくい「透明度とフィット感」 シュアスマイルのマウスピースには、耐久性と透明性に優れた素材が使用されています。歯の形に合わせて非常に精密にカット(トリミング)されているため、装着時の違和感が少なく、見た目も自然です。実際に治療中の患者様からも、「家族や同僚と会話をしていても、自分から言うまで全く気づかれなかった」という声をよくいただきます。接客業や営業職、結婚式や就職活動を控えている方でも、見た目を気にせず治療を続けられます。
  • ワイヤーのような締め付け感がない「痛みの軽減」 従来のワイヤー矯正は、調整直後に強い痛みを感じることがありました。一方、シュアスマイルは、段階的にマウスピースを交換しながら少しずつ歯を動かすため、過度な力が一度にかかりにくく、痛みを最小限に抑えることができます。また、金属の突起物が一切ないため、口内炎ができるトラブルもほとんどありません。「矯正は痛いもの」という常識は、過去のものになりつつあります。

まとめ

シュアスマイルは、単に「透明で目立たない」だけの装置ではありません。世界的な歯科メーカーの技術力に裏打ちされたデジタルシステムにより、効率的かつ健康的に歯並びを整えることができる、現代のライフスタイルに適した治療法です。

「もう大人だから遅い」「仕事があるから無理」と諦める前に、一度当院の無料相談にお越しください。精密検査とシミュレーションを通じて、あなたの歯並びがどのように美しく変わるのか、具体的なゴールを一緒に確認することから始めましょう。

人生100年時代、自信を持って笑える美しい歯並びと、何でも美味しく噛める健康な噛み合わせを手に入れることは、これからの人生における最高の投資になるはずです。私たちがそのお手伝いをさせていただきます。

【医療広告ガイドラインに基づく必須記載事項】 当院では、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名:シュアスマイル)を用いた矯正治療を行っています。

  1. 未承認医薬品等であることの明示 シュアスマイル(SureSmile)は、日本の薬機法上の承認を得ていません。
  2. 入手経路等の明示 当院のシュアスマイルは、米国デンツプライシロナ社(Dentsply Sirona)より個人輸入しています。
  3. 国内の承認医薬品等の有無の明示 日本国内には、同様の性能を持つ承認医療機器が存在しません。
  4. 諸外国における安全性等に係る情報の明示 シュアスマイルは世界各国で歯科矯正治療に使用されています。これまでに重大な副作用の報告はありませんが、通常の矯正治療と同様に、歯根吸収や歯肉退縮などのリスクは存在します。

 

当記事の監修editor

院長 宍戸孝太郎
医療法人社団 孝親会 理事長
宍戸 孝太郎
資格・所属学会
厚生労働省認定歯科医師臨床研修医指導医
SBC(Surgical Basic Course 歯周形成外科コース)インストラクター
SAC講師
club SBC
日本口腔インプラント学会認定医
日本口腔外科学会会員